2018年10月8日月曜日

早苗さんの命盤


早苗さんの命盤

今から何十年も前の小学校時代の記憶を手繰り寄せている早苗さんの紫微斗数の命盤はどんな風になっているのでしょう。

前回までの記事

本日は少し筆休めのつもりで、早苗さんの命盤の分析をやってみたいと思います。早苗さんのご希望で生年月日、出生時刻などは非公開の命盤です。



命宮は「天相星」で遷移宮が「廉貞・破軍」です。
お顔の様子は「天相星」に「廉貞」がプラスした感じです。
雰囲気としては命盤通りに桃花系の雰囲気を醸し出して居られます。
身のこなしや言葉遣いも命盤どおりと感じます。
持って生まれた個性と性格は「生年四化星」の性格と入る宮を考察すれば正確な行動傾向も観えます。
命盤から読み取った早苗さんの性格は、とても穏やかですが、優柔不断な性格が様々なトラブルに遭いやすかったと感じます。
頭脳は良い人です。文藝の才能も趣も豊かな人と感じます。
向学心も旺盛で様々なものに興味を持たれそうです。
スピリチュアルな感性も豊かでしょう。
命盤全体から観て「発達障害」をお持ちと云えます。
重要な、持って生まれた「生年四化星」は1個だけ六内宮(自分の宮)に有ります。それは「化科星」です。
これだけで、早苗さんは「化科星の人」という性格を強めます。
他の生年四化星は3個とも六外宮(他人の宮)です。
生年四化星は六内宮に有るのが、人生を生きて行く上でたいへんに有利です。

「生年四化星」は物に例えれば、人生を生きて行く上で役に立つ道具のような物です。この四つの道具がすべて自分の物(六内宮)で有れば、人生の様々な場面でも、自力で何とか出来ると思っても過言ではないでしょう。

もし全ての「生年四化星」が他人の宮に入ってしまった人は、どうすれば良いのでしょう?
大切な自分の為の道具が他人の処に有るのです。その道具を生かすのには、その四化星が入っている宮の人に、何とかして貰わなければ成りません。
例えば「奴僕宮」に入っていたならば、「奴僕宮」の人と旨くやって行く必要があります。そうすれば「奴僕宮」の人に助けられて、人生を何とか超えて行かれるという訳です。

早苗さんは生年四化の「化禄・化権」が父母宮です。
父母宮といえば「両親・先輩・学校の先生・上司など」です。ここに「化権」は、これらの対人関係で辛いことが起こりやすいです。実際に早苗さんは気性の激しい両親の元で、物心ついた頃から暴言と暴力で泣かされてきました。小学校に入ってからも担任の先生のみならず、他の先生にも怒鳴られ、殴られたり蹴られたりと散々です。クラスで一番に弱弱しくて小柄な女の子が暴力に遭っているのですから、気の毒としか言いようがありません。

私が命盤を観て思うには、多分に発達障害の傾向が有ってのことで、酷い目に遭っている訳です。紫微斗数ではどんな原因が有ろうが、「父母宮の関係で辛い」ことが起こると現れているのですね。
父母宮に「化禄」が有るじゃないか? と、思われるかも知れませんが、確かに日本の紫微斗数では「化禄」は絶対に良好などと広く広まっています。「命宮に化禄は幸せ!」 と書籍にも謳われていますが、しかし、これまでに鑑定した多くの、命宮に「化禄」の人でも散々の人生の人は少なくないです。
結論から言えば「化禄は絵に描いた餅」です。見えても実態は無い。
欽天四化の解釈では「化禄は虚星」です。
ですから、早苗さんの父母宮の「化禄」は「化権」と同宮ですから、ほぼ「化禄は化権に馴染む」と思ってもよいです。つまり、この場合の「化禄の効果は無い」と解釈してもよいでしょう。
早苗さんの父も母も激しい性格です。欽天四化では父母宮は父親、兄弟宮は母親、早苗さんの父母宮も兄弟宮にも「擎羊・陀羅」の大凶星の双星が入っています。
さらに、一人しかいない姉も激しい性格です。
命盤は如実に現象を表しています。

夫妻宮も問題が出ています。
離婚の象意です。しかも「絶対」です。
子女宮も心配です。子女宮には「生年化忌」が入って居ますから、絶対に子供さんは授かりますが、問題有りということです。
しかも【化忌】の作用は「囚われ、束縛、執着、苦労」ですから、現実を表しています。でも、子女宮はある意味で自分の配下にも出来るので、子女宮に化忌で集まるものを早苗さんが利用してもよいと思います。
言い換えれば、早苗さんは子供に執着し「子離れが出来ない」訳ですが、子供さんが恵まれれば、お母さんも助かるとも言えます。
お母さんの散々の人生は、化忌の子供さんをしっかりフォローして行けば自分も救われると思います。
一つ心配は、子女宮の【C-B】です。子供さんに何か有る?
そうです。それを一番心配しています。串聨はしていますが。
息子さんの命盤はすでに調べて有ります。
そうです。息子さんの中年期に、ある出来事が起こります。それをすでに早苗さんには伝えてあります。
お母さんは息子さんの中年期に起こる「必定」を避けさせるための努力が必要で、その必定を超えたなら、お母さんも幸せになるでしょう。

兄弟宮も奴僕宮も良くありません。
早苗さんの健康問題が55歳、65歳の大限(10年運)で深刻にならないようにしなければ成りません。
病気の象意は疾厄宮と対宮で観ても良いです、「先天的な自己免疫系の病気・難病・精神的な疾患・アレルギー・事故・怪我・手術」など病気の百貨店になりそうです。これらの病のほとんどは長期に渡る強いストレスが原因と云えます。(すでに、これらの疾患は深刻な状況です)

早苗さんの「来因宮」は遷移宮ですから、災難には要注意ですが、すでに幼少期から頻発しています。生涯落ち着かない人生になるでしょう。
外出も多い人生ですが、必要以上に外出しない方が良いと、私は思っています。一歩外に出たら常に注意です。出会う人間にも注意です。大人になっても要注意です。

仕事の面でも苦労が有ると云えます。出来ることなら専業主婦が良いのですが、離婚してしまう確率が高く、命盤に現れている現象が現実化しそうです。
田宅宮も悪く、不憫な家庭に生まれ、結婚後の家庭も不憫になりそうです。

生涯に渡って精神面でも辛いことが続きそうです。

冒頭でも記述したように「化科のみの人」は人生の生き方が限られてしまいます。趣味や芸術、文化、文藝、教育などの分野で生きるがよいですが、穏やかな人たちの中で過ごせることが大切と思います。

早苗さんの命盤は厳しい現実を忍ばせています。
本人の穏やかな性格からすれば信じられないような状況ですが、これも持って生まれた宿命なのですね。このような人生に成るためには、何か必要が有って生まれて来たと思います。その役割については本人も知りません。
生まれたことに全く意味を感じない、自分は不必要な存在と思うのも無理もないことです。
しかし、神様は必要が有って、この世に送り出して来たのだと、私は確信を持っています。私には、それが観えています。


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2018年10月5日金曜日

神様の遣い (4)


神様の遣い (4

前回の記事は、小学生の早苗さんがお友達の誕生会に招待され、楽しみにしていたけれど、お母さんに「絶対に行ってはダメ」と云われ落ち込んでしまいました。お誕生会にはクラスの全員が参加したのに、早苗さんは一人参加しなかった訳です。その結果、早苗さんはクラスでみんなの話題に加わることが出来なくなっていって、次第に孤立していったという事でした。

------ 夏休みの出来事 ------
早苗が小学校3年生の夏休みのことでした。
小学校ではウサギを数匹、網を張った小屋で飼育していました。
普段の世話は23人の生徒たちが当番制でウサギ小屋の掃除、水や餌やりをしていました。ウサギの世話が出来るようになるのは三年生からです。
三年生になったら、上級生と先生の指導でウサギ小屋の掃除の仕方、餌やりの仕方を覚えます。早苗も三年生になりましたから、4月から他の同級生と一緒にウサギの世話を覚えました。
動物好きの同級生はキャーキャー言いながら「可愛い~」と小屋の中に入ってウサギを抱っこしています。
でも早苗は、そんな同級生をウサギ小屋の入り口から眺めているだけです。
ウサギ小屋の中に入ろうとしません。同級生にウサギを「早苗ちゃん、ウサギを抱っこしてごらん」と手渡されても、手を出そうとしません。
早苗は絵本に出てくるウサギも熊さんも大好きです。絵本の動物を観ては「可愛い~」と嬉しそうにしている早苗ですが、何故かウサギ小屋のウサギには近づけないのです。
実は、早苗には3歳ごろ恐ろしい思い出がありました。
まだ物心ついてヨチヨチ歩きの頃に、近所の放し飼いの犬に足を噛付かれて、何針も縫う大怪我をしました。それ以来、本物の動物は怖くなってしまったのです。絵本に出てくる動物はとても可愛いのに、本物はダメなのです。ペット屋さんのハムスターは手に取ることが出来ましたが、それでも手に取ったハムスターが、突然暴れると投げ出してしまうほどの臆病になってしまっていたのです。

この日もウサギ小屋の当番で同級生と小屋に入ろうとしましたが、早苗は入り口で眺めているだけです。それでも同級生はウサギ大好きですから、さっさと餌やりをやっています。
「早苗ちゃん、掃除手伝ってよ」と同級生に促された早苗は、恐る恐るウサギ小屋に入って藁くずを片付けは始めました。
早苗の足元にウサギが寄ってきます。
本物のウサギもよく眺めれば可愛いものです。早苗は思わず「可愛い~」と声を上げますが。抱き上げることはとてもできません。

そして夏休みが来ました。
早苗のウサギ当番はクラスのB子と一緒に夏休み中やることになりました。
しかし、早苗はB子と一緒にやることが心配になりました。
B子はクラスの中ではずるい性格で有名でした。
早苗は、「よりによってB子と一緒だなんてヤダなあ」と思いました。
早苗はB子には普段から何も言えない、出来れば関り会いたくない相手です。一番嫌いなタイプです。
早苗は友達同士でも何かあれば、早苗が何でもしてあげてしまう方に回ってしまう、損な役割ばかりすると思っていました。
B子は、その点は早苗と真逆です。B子は自分では何もしないで、何でも人にやらせて威張っているタイプです。

そんな嫌な思いが的中した日がやってきました。
夏休みが始まって一週間目のある日、早苗とB子のウサギ小屋の当番の日です。早苗は約束の小学校の校庭でB子を待ちます。
しかし、時間になってもB子は現れません。今のように携帯電話も無い時代です。そもそも家に電話も無い所もありました。
早苗はB子を待ちましたが、30分も過ぎてしまいました。不安になった早苗は迷いました。B子を呼びに行くにも、ずいぶんと遠い所です。
仕方なく早苗は職員室にウサギ小屋の鍵を貰いに行きました。
学校は夏休みですから廊下も職員室もシンとしています。真夏なのに静かで何となく冷んやりした、ちょっと薄暗い廊下を進んでいくと職員室が有りました。職員室にはクラスでも有名な怖い中年爺じいの先生が一人机に座って新聞を広げて読んでいます。
早苗は恐る恐る中年爺じいの先生の前に行きました。椅子に座っているのに先生は、見上げるような怪物に見えました。
「あの…、ウサギ小屋の鍵が欲しいですけど…」
早苗はモジモジと小さな声で言いました。
「何! 何が欲しい?」
先生は、「何の用だ!」、と云わんばかりに大きな声で聴き返してきました。早苗はもう一度、前より大きな声でゆっくりと
「うさぎ小屋の…、鍵が欲しいです」
「そっか、ウサギ小屋の鍵だな。お前が今日はウサギ小屋の当番か?」
「はい、そうです」
「でも、ウサギ小屋の当番は二人でやるんだろ? お前独りやるのか?」
早苗はB子が待っても来ないことを言いたくて、喉までそのことが出かかったけれど、結局は何も言えなくて黙ってしまっていました。
「お前まだ三年生だろ、独りで勝手にやってはダメだ。先生が就いていくから先にウサギ小屋に行って作業を始めていなさい」
そう言って先生はウサギ小屋の鍵を早苗に手渡しました。

早苗は早々にウサギ小屋に向かっていきました。
ウサギの餌は粒に成っている物で、大きめのカップのような容器に山盛りにして、小屋の入り口のカギを開け中に入っていきました。
ウサギ小屋の入り口を開けている間に、ウサギが外に出て行っては困りますから、早苗は素早く小屋に入り戸を閉めました。
そして振り向いたら何匹もいるウサギたちが、餌を欲しがって一斉に早苗に向かってきました。しかし早苗にはウサギが突進して来ると感じたのです。
慌てた早苗は手にいっぱい持っていたウサギの餌を、カップごと放り投げて、小屋の入り口に身を縮めてしまいました。
金属製のカップは音を立ててウサギ小屋の中を転がり、山盛りの餌は小屋中に散らばってしまいました。
「こら! お前、何やってるんだ、この野郎!」
ウサギ小屋の外から大きな怒鳴り声が聞こえてきました。
その怒鳴り声に再び驚いた早苗は、恐怖で小屋の隅っこに座り込んでしまいました。ウサギたちは散らばった餌を拾うように食べています。
「先生は見たぞ! お前は何という悪ガキだ、独りでやるからって出鱈目は先生は絶対に許さん、小屋に散らばった餌を全部拾い集めなさい」
早苗は涙を流して小屋の隅に小さくうずくまるばかりです。
「こらっ! 早く餌を拾わんか! 拾い集めなかったら午後までお前を小屋から出さんからな、昼に成ったらお前は自分でぶち撒けた餌を拾って食え」
先生はそう言ってウサギ小屋の入り口のカギを外から掛けてしまいました。

恐怖で何も出来なくなった早苗をしり目に、先生は何処かに行ってしまいました。早苗は、このままずっとウサギ小屋から出して貰えないと思いました。
早苗は、藁の間に散らばった餌を食べるウサギたちを見ながら、ずっと泣き続けていました。

どのくらい時間が過ぎたのでしょうか。
ウサギ小屋の外から声がしました。
「お前の今日の悪態は受け持ちの先生に言うからな、そんないい加減な奴は受け持ちの先生に言って、思いっきり懲らしめて貰わなければならん」
いつしか、何処からか戻ってきた中年爺じい先生がウサギ小屋の鍵を開け始めていました。
「早く出てこんか。もう一人の当番の生徒は、お前がちゃんと呼んで一緒に来なきゃならん、勝手に一人で来て出鱈目をしようたって、先生は許さんからな」
早苗は真っ赤に泣きはらした、ウサギのような眼をして家に帰って行きました。家に帰っても誰もいないのです。
今日の恐ろしい体験を誰に話すことも出来ません。
クラスで孤立してきた早苗にとって泣き面に蜂。踏んだり蹴ったりの出来事として生涯忘れられない心の傷になってしまいました。
早苗 8歳の夏の出来事でした。


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2018年9月27日木曜日

神様の遣い (3)


神様の遣い (3) 


前回は、学校で先生に殴られたり蹴られたりのお話でした。


---- 小学校の友達 ----

早苗は小学三年生になり、初めて仲の良い友達が出来ました。


ある日、その友達が早苗に一通の可愛い模様の封筒を手渡してきました。
封筒には「招待状」と書かれています。
中には、これまた女の子らしく可愛い便せんに、「次の日曜日に、お誕生日会をするので、私の家に遊びに来てね」と書かれています。

早苗の家ではお誕生会をしたことが有りません。

父親は仕事から帰ってくれば、酒を飲み暴言と暴力で暴れます。

母親は早苗たち姉妹が寝付いた頃でなければ、家には帰ってきません。

ですから、たとえ友達の誕生会といえども嬉しかったのです。

絵本で誕生会やパーティーという様子は見たことはありますが、本当にそんな場面に自分が参加するなんて,夢のようだったのです。

早苗は、その誕生会にさっそく行こうと決めて、プレゼントは何が良いのか母親に尋ねると。
「そんなものに呼ばれて行ったら、借りができて今度は、こっちが招待しなければならなくなるじゃないか、そんなことも分からないのか? 冗談じゃないよ、早く断っておいで、間違っても行ったりしたらいけないよ。」

幼い早苗には気性の激しい母親には逆らうことなど出来ずに、仕方なく参加するのを諦めたのです。

「他所の家では、そんなことは言わないのに、どうして私だけは、行ったらいけないの? うちの親は、なんかおかしい」



その友達の誕生会にはクラスの同級生ほぼ全員が参加することになりました。
クラス中が友達の誕生会で盛り上がり始めました。

早苗は誕生会不参加の理由に悩みました。
仕方なく、「用事があるから、行けなくなった」と嘘をついて断ったのですが、その後、何ともやりきれない気持ちに小さな心は押しつぶされそうになりました。
独り仲間外れになった思いです。


そして、誕生会の日が迫ってくるほど、みんなの話題は盛り上がりますが、早苗はみんなの話に加わることが出来ずに、益々気持ちは落ち込み、みんなの目の届かない教室の隅っこか、教室の外に行くようにしました。


そして、誕生会は過ぎました。
翌日、早苗が小学校に行って教室に入ると、クラス中が昨日の誕生会の話で盛り上がっています。
誕生会に参加しなかったために、みんなの話している内容がさっぱり分かりません。
もう早苗には居る場所が無い、何処かに消えてしまい、そんな強い悲しみが湧き出してきたのです。


その日から早苗は休み時間、独り教室の隅っこで過ごすようになってしまいました。
なるべく、みんなの視線の届かないところに居ようとしました。
みんなの話に加われない疎外感を嫌というほど味わう毎日が始まりました。

早苗は、自分がクラスの中で徐々に「異質な存在になっていく」、という恐れを感じ始めていったのです。


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2018年9月24日月曜日

神様の遣い 【2】


神様の遣い 【2】 


早苗さんが物心ついた頃の記憶を彼女は話し始めてくれました。
前回は、お母さんと姉さんと三人でデパートに買い物に行った時の記憶でした。


早苗の両親はいつも喧嘩ばかりしていました。
父親は常に酒を呑んで暴れる、いわゆる「酒乱」でした。そんな酒乱の父に耐えて、離婚もせずに二人の娘を育て上げた母親に、早苗は自分も同じ母親に成った今、改めて考えさせるののがあったのです。


早苗が小学校に入学して間もない頃でした。
母親は毎日、パートの仕事で働きに出ていました。酒乱の夫の稼ぎが少ないからです。
元々性格のキツイ母親ですから、夫の稼ぎの少ないことへも不満は強く、日常的に夫への文句が口を開けば出ていたのです。その文句が出るたびに夫は近くにある物、手当たり次第に投げつけ、それがたまには早苗や姉さんの身体や顔に当たり血を見ることが有ったと云うわけです。

こんな話、平和な家庭に育った人なら「嘘だろう、出鱈目ばかり書いて」と思うことでしょう。
こうして記事を書いている私でさえ、幼少期には身近な出来事でした。60歳後半になった爺いの記憶にも今シッカリ動画として、父親が鬼のような顔をして母親を殴っている姿が思い浮かぶのですから、三つ子の魂というものは一生涯付きまとうものですね。


さて話を戻しましょう。
小学校で日中を過ごすように成った早苗は、新しい生活環境でさらに苦痛が始まるとは、まさか思っても居なかったのです。
本当は朝、学校に登校すれば嫌な家庭内のことは、忘れて居られると思ったのですが、別の意味で家庭内の事を忘れさせるような出来事が始まることになったのです。

新しい学校生活では、今まで毎日家で過ごしていたとは、まったく違うことが始まります。
まだ67歳の子供なら、学校から帰ったら誰かにそんな出来事を話したいものです。

早苗の両親は怖い親ですが、それでも早苗にとっては母親が唯一の心の拠り所でした。
そんな母親にでも学校の楽しいこと、嫌なこと、いろいろな出来事を、家に帰ったら話そうと走って帰るのですが、家に帰れば母親の姿はありません。

そうです。母親はパートの仕事に行っているので留守なのです。
家に母親が帰ってくるのは夜遅くです。母親は夕方から近くの飲食店へパートで働きに行っていましたから、その店が閉店する夜10時頃でないと家には帰ってきません。

早苗さんは当時を思い出しながら涙ながらに語ってくれました。



「私が学校から帰ると、既に居ないことがほとんどでした。
学校での出来事や、友達とケンカしてしまったこと、宿題のことも、明日の持ち物についても、とにかく、母親に話を聞いてもらいたい事が、たくさんありました。

でも、母がパートを終え、帰宅するのは、いつも私たちが眠った後なのです。

今日こそは、母が帰って来るまで絶対に眠らずに起きていようと何度も挑戦したのですが、やっぱり眠いのには勝てず、結局、何も伝えられずに朝になってしまいます。

昨日、途中で解らなくなってしまった宿題も母に教えて貰おうと思ったけど聞けなかったし、忘れてはいけない持ち物のことも、一晩寝たことですっかり忘れてしまい登校してしまいました。

やっぱり、担任の先生に怒鳴られました。
引っ叩かれ、蹴られたこともあった。
<学校の先生は何度注意しても毎日、同じように忘れ物してくる早苗に、可愛い顔していても、シブトイ女の子だと腹が立ったようです>

まだ、小さかったあの頃の私は、どうしらた良いのかという知恵もなく、同じ失敗を何度も、繰り返していました。
そして、その度に叱られ、叩かれることが怖くて、泣いてばかりいました。学校が終わったら母に逢いたくて必死になって泣きながら、走って帰ったことも、何度もありました。

でもやっぱり家に帰っても、家には母はおろか、誰もいない。
もう悲しくて私は、ランドセルを背負ったまま、膝を抱えて泣き続けました。


夕方に成り、少し落ち着いた頃に、もう酒乱の父が帰って来ました。

毎日同じような、酒乱の父の怒りのフルコースが始まります、

家では父親に叩かれ、学校では、先生に叩かれ。
私は、このまま、この世から消えてしまいたいと思うようになりました。

何で私は生まれてきてしまったのだろうと、何のために生まれてきてしまったのだろうと、思う日々が続くようになりました。

夜寝たら、明日の朝には死んでいますように…

そう神様に真剣に神さまにお祈りしていました」


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2018年9月21日金曜日

神様の遣い(1)


神様の遣い(1

前回は、この女性と私が鑑定を通して関わりあうまでのプロローグを書きました。

息子さんのご相談で訪れた彼女(仮名 早苗さん)は、息子さんが大学を卒業後に勤務した会社に、どうしても馴染めずに悩んでいました。そのことの話をいろいろ私に話してくれました。
そんな話の中で、早苗さんは自分の苦労話に、どうしても話が進んでしまいます。
私は、早苗さんは明るくてお喋りな女性なのに、余程辛いことを体験しているのだと感じました。
きっと、いろいろ話したいことが溜まっていると感じたのです。
私の興味も息子さんの鑑定よりも早苗さんの話に向いて行ってしまいました。


早苗さんが育った家は、小さな田舎町の路地のようなところに、家が身を寄せ合うようにギュウギュウに建て込んだところでした。

お父さんは荒っぽい性格で、お母さんもそれに負けない強い性格で、さらにそれに輪をかけるように、お姉さんも二人の両親の激しさを足したような性格の女性でした。
早苗さんが物心ついた時には、朝から晩まで家の中は常に騒乱状態という印象だったと語ってくれました。

お父さんは毎日仕事が終わって帰ってくれば、酒を飲んでは酒乱になって乱暴になって、その酒乱にお母さんは徹底的に刃向かい、最後にはいつも卓袱台(ちゃぶだい)がひっくり返り、その上に載っていたご飯やみそ汁、おかずが畳の上にぶち撒けられて、戦場のようになっていたと、早苗さんは笑いながら話してくれます。
私の小さい時も同じような光景を日々見て育ちましたから、その光景はリアルに思い浮かべることが出来ました。

早苗さんのお父さんは毎晩お酒を飲んでは、怒鳴ったり茶碗を投げたりと大騒ぎで、まだ45歳の早苗さんは恐ろしくて、ただただ泣いているばかりでした。お姉さんも絶対にお父さんの言うことを聞かないし、お母さんの言うことも聞かない強情な性格だったそうで、時には腹を立てたお父さんが、投げた茶碗がお姉さんの額に当たって血だらけになったとも話してくれました。
そんな家の中では、大暴れの酒乱のお父さんだけど、家の外での評判は良くて、ご近所でも大人しくて優しいお父さんと、「本当に羨ましいねえ」と云われていたそうです。
いわゆる、外面の良いお父さんでしたが、家庭内ではすべて自分中心で、家のことは何一つとしなかったようです。

早苗さんとお姉さんの世話は、お母さんが一人で行っていたそうで、何処かに買い物に行くのにも、お母さんはいつも二人の娘を連れて行っていたそうです。
しかし、お姉さんはお父さんに、そっくりの性格でお母さんの言うことは全く聞かず、買い物中も自分勝手で、勝手に何処かに行ってしまうので、お母さんは早苗さんにお姉さんの見守りを任せていたそうです。

お姉さんはお店で興味のあるものが有れば、すぐに持ってきてしまい、その度に早苗さんはお姉さんを制止するのですが、まったく言うことを聞かないばかりか、早苗さんの頭を拳で殴りつけてきます。
早苗さんは「おねえちゃん、だめだよ、そんな持ってきちゃ」

お母さんに姉さんの見守りを言いつけられているので、早苗さんは必至で泣きながら、姉さんを止めます。
結局は、早苗さんの言うことは聞かずに姉さんは欲しい品物を手に持ってお店を出ていこうとします。早苗さんが泣きながら大声で「おねえちゃん、だめだよ、おねがい」制止します。
その声を聞きつけたお母さんが走ってきて、姉さんを思いっきり殴りつけます。その勢いで床にひっくり返った姉さんは涙ひとつ流さずに、早苗さんを睨みつけながら立ち上がると、今度は早苗さんを思いっきりぶん殴ります。
ぶん殴られた勢いで、今度は早苗が床に吹っ飛ばされ、ひっくり返ってしまいます。
もう早苗さんは起き上がる元気もなく床で泣き続けます。

そんな早苗さんにお母さんは、「早苗! 何でお前は姉さんを観ていられないんだ、まったく役に立たない娘だ!」
お母さんは、姉さんの腕を掴むと、姉さんが持ち出した商品を戻しに売り場に戻ってしまいます。

早苗さんは床に倒れたまま、いつまでも床が涙で滑るほど泣いていました。


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2018年9月16日日曜日

神様の遣い 【プロローグ】


神様の遣い 【プロローグ】 


これからお話することは、数年前に私の所に鑑定相談に訪れた女性のお話です。
その女性は息子さんのことで相談に訪れました。
私のところには息子さんと一緒に訪れました。女性は見るからに30歳~40歳代の可愛くて優しそうな女性でした。でもこの女性の本当のお歳は50歳になったところです。

息子さんと一緒に鑑定室に入ってきた姿はまさに恋人同士に見えました。
仲良く手をつないで入ってきたのです。私はもしかして「マザコン親子?」って失礼なことを想像してしまいました。鑑定中も女性は、隣に座っている息子さんの腕にすがるような仕草をしています。
息子さんは終始ニコニコしています。


今回の記事は、この女性の人生についてお話したいと思います。
このお話は、とても長いお話ですから、複数回に分けて連載したいと思います。
この女性の幼少期から現在に至るまでのお話です。
この親子の表情からは、到底想像できない壮絶な試練の連続の、女性の人生についてお話します。


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宮立命ブログは引っ越しをします。

Goo blog をご覧の皆様いつもご訪問ありがとうございます。 宮立命のblogはAmeba(アメーバ)blogで情報展開中です。 どうぞ、ご訪問をお待ちしています。 こちらのGoo blogは今回で更新を終了します。 宮立命アメーバブログは以下のAmeb...