2018年10月31日水曜日

神様の遣い(13)


神様の遣い(13

早苗さんは、高校生に成り少しでも小遣い稼ぎをしたいと、いろいろな所でアルバイトをやりましたが、バイト先でも嫌なことが多かったです。
ご本人は、自分は器量が良くないので何かと差別をされたと申しておりましたが、決して器量が悪いと云えません。むしろ年齢よりも遥かに、お若い感じで、可愛いという表現がピタリかも知れません。もう少し大げさに言えば、子供っぽいといった方が良いかも知れません。(失礼しました)

※前回の記事では、ずいぶんと誤字が多かったです。急いで書き上げたせいもありますし、パソコンの漢字変換が最近、奇妙な変換をします。
(多分、私のタイプミスが頻発するために、パソコンの学習機能が混乱しているのだと思います)


----- 信仰 -----
早苗の高校進学は、もっと神様のことを知りたいと、カトリック系の高等学校に入学しました。
カトリック系の高校では聖書を学ぶ授業が在ります。
早苗は聖書を学ぶ授業は真剣でした。
他の生徒は、いくつもの授業の中で一番退屈な授業らしく、多くの生徒は居眠りや頬杖をついて下を向いて目をつむっていたそうです。
早苗が学んだ聖書の一節に、とても気に成るところが在ります。

「右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ」という一節です。

この一節は、これは新約聖書『マタイによる福音書』第5章に登場する、有名なイエスの言葉です。同じく新約聖書『ルカによる福音書』に登場する「汝の敵を愛せ」という言葉同様、敵を許し仕返しをするな、という教えです。
早苗は、これまでの少ない人生でも、殴られたり、暴言を吐かれたり、また何かと差別的な待遇を受けても、じっと我慢の人生でした。
この聖書の一節を授業で学んだ時には、聖書でも相手を許しジッと我慢しろと、教えているのだから、これから先もずうっと我慢して行かなければ成らないのかと辛い気持ちになってしまいました。
本当に神様は、そんなに我慢をすることを重要に考えていらっしゃるのか。
聖書担当の先生に確かめてみたくなりました。
世の中には早苗とは真逆の事をして、早苗に暴言を吐き、暴力を振るう人が居るのに、私だけ何故に我慢を強いられるのだろうと、神様に教えて欲しいと思いました。

早苗は聖書の次の一節も不思議で仕方がなかったのです。
それは、【マタイによる福音書第1916節~30節】
『ひとりの人がイエスに近寄ってきて言った、「先生、永遠の生命を得るためには、どんな善いことをしたらいいでしょうか」
イエスは言われた、「なぜ善い事について私に尋ねるのか、善い人はただ一人だけである。もし命を得たいと思うなら、戒めを守りなさい」
彼は言った、「どの戒めですか?」
イエスは言われた、『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証を立てるな。父と母とを敬え』、また『自分を愛すると同じように、あなたの隣人を愛せよ』
この青年はイエスに言った、「それはみな守ってきました。ほかに何が足りないのでしょう」
イエスは彼に言われた、「もしあなたが完全になりたいと思うなら、帰ってあなたの持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むようになろう。それから、わたしに従いなさい」
この言葉を聞いて、青年は悲しみながら立ち去った。たくさんの資産を持っていたからである。
イエスは弟子たちに言われた、「よく聞きなさい。富んでいる者が天国にはいるのは難しい。あなた方に言うが、富んでいる者が神の国にはいるよりは、ラクダが針の穴を通る方が、もっとやさしい

早苗はこの最後の一節、『ラクダが針の穴を通る方が、もっとやさしい』が、どうしても引っかかって仕方なかったのだ。

そこで、聖書の授業が終わるのを待って先生の後を追った。
職員室に戻る聖書の先生に追いつきながら、早苗は質問したのだ。
「先生、聖書のことで質問があるんですけど」
聖書の先生は振り返った。まだ年齢は30歳代の独身女性と思われた。
「どうしました? 聖書のどんなことが聞きたいのですか?」
早苗は息を切らしながら、緊張と恥ずかしさから焦った。
「あの~、右の頬を殴られたら左の頬を差し出せって、どんな暴力を受けても我慢しろっていうことでしょうか? 私は今までも家でも外でも殴られてばかりいるんです。殴る人は罰を受けないんですか? それから、ラクダみたいな大きな動物が、どうして針の穴なんか通れるんですか? 絶対に無理だと思うんですけど」
若い聖書の先生の表情が一気に険しくなった。
「あなた、ちょっと職員室に一緒に来なさい」
そういうと先生は早苗の腕を掴んで職員室へ連れて行った。

職員室に連れていかれた早苗は、若い先生の机の所に立たされた。
「あなたねえ、あなたは聖書を馬鹿にしているのですか? 神様を馬鹿にしているのですか?」
早苗は答えようがなかった。
早苗は困り果てた表情で口を尖らせ、上目遣いに黙ってしまった。
先生は非常に厳しい表情で激しく早苗を恫喝した。
「そのふざけた行為は、先生は絶対に許しませんよ」
先生はなおも続けた。
「今からレポート用紙2枚に反省文を書きなさい。きちんと書けるまでは帰しませんからね」
それから早苗は職員室で反省文を1時間掛かって書いたのだ。
早苗には、先生が怒っている理由が、まったく理解できなかったのだ。
反省文を書けと云われても、何をどう書いたら良いのかも分からなかったのだ。
仕方ないので、「もう神様を馬鹿にしません」という内容の文章を仕上げた。
レポート用紙2枚に書いた反省文と引き換えに、早苗は家に帰して貰えることになった。
帰り際に先生は、「あなたのような神様を冒瀆した生徒は前代未聞です」
「この学校で、このようなことは本来ならば許されないことです」
先生は、そう言っても険しい表情が直ることはなかった。

以後、早苗はこの先生が恐ろしく怖くなって、廊下でも擦れ違わないように避け続けました。

高校を卒業した後も、早苗は強く思い続けた。
「人生とは、ただただ我慢するしかないのだ、神様は我慢が最高の幸せに繋がると教えているんだ」
早苗は何が遭っても我慢、我慢。
決して人に意見などしない方が良いと思った。
何か問題が起きたなら、自分さえ我慢していれば、それ以上は酷い目に遭わないだろうと思うようになった。じっと耐えることが何よりも良い方法で、神様は常に見続けてくれる。そう頑なに信ずるようになりました。

実は、早苗の聖書への質問は、単純な発達障害の子供が持っている特性だったのです。
【ラクダが針の穴を通る】というのは、単なる例えなのですが、早苗には真剣な事だったのです。それが理解出来なかっただけのことです。それなのに、そういうことが理解できない周囲の人たちから酷い仕打ちを受け続ける人生が始まりました。
そして早苗のじっと耐える人生も始まりました。

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2018年10月30日火曜日

神様の遣い(12)


神様の遣い(12

早苗さんは幼稚園で貰った「花さき山」の絵本にたいへん共鳴し、以降ずっと左右の銘のようにし、辛い我慢できないことがあると、「花さき山」を広げてはジッと耐える日々が続きました。


----- 差別 -----
早苗姉妹は幼少期から小遣いと云うものは親から貰ったことがありません。
それもそのはず、父親は強面の顔をして外面はよいが、男としては不甲斐なく月の収入も4人家族が食べて行くには、到底足りないものだった。
仕方なく、母親は幼い二人の娘を家に残して夕方からの飲食店のパート仕事に行っていたのだ。当然、母親の帰りは娘たちが寝入った頃でないと、家には戻ってこなかった。
母親がそれだけの稼ぎをして日々の生活を何とかしていたのだ。
したがって、早苗たちの小遣いなどというものは与える余裕など無かったのだ。

早苗も姉も他所の同級生が決まった小遣いを貰い、欲しいものを買っているのを、いつも羨ましく思っていた。

早苗が高校一年生になった時に、初めて同級生の誘いでアルバイトをした。
高校の三年間で何度もアルバイトはしたが、いつも理不尽な思いをさせられた。自分でも何故、自分はそういう扱いをされるのか不思議に思った。
多分、自分は同級生たちに比べて器量が悪いのだろう。そのせいで理不尽な差別的な扱いをされるのだと、この頃から思うようになっていったのだ。

この時期から早苗は徐々に、「女は器量が良ければ得をするんだ」と真面目に思うようになった。その一方で常に被害者意識が際立つように成りだしたのだ。そういう意味では、自分と同じような扱いをされている人に対して、非常に寛容になり、放っては置けない様にもなっていった。
しかし、この被害者意識は「呼び寄せ効果」ももたらすので、本当は益々よくない事でもあった。

ある食堂でのアルバイトでの出来事だ。
お昼休みには一緒に働いて居る、同級生のバイトの女の子と昼食を摂るのだが、昼食はその食堂のランチメニューから自由に選べることになっていた。
だが、自由に選べるといっても、食堂のマスターが昼食を用意するのだ。
マスターは早苗と一緒に働いて居るバイト生のM子がお気に入りらしい。
Mちゃん、何が食べたいの?」
M子は嬉しそうに、「私ねぇ~、オムライス作って欲しいわ~」と可愛い声で言った。
「そうか、オムライスを食べたいんだね。少し待ってて、俺が最高のオムライスを作るからね。今まで出したこともないようなオムライスだぞ~」
そう言ってマスターはさっそく調理の準備に入ります。
「苗ちゃんは、カレーでいいね」
と、マスターはさっさとご飯を更に盛ると、鍋からカレーをご飯にかけて早苗の前に出した。
「えっ、私、カレー?」
早苗は声が詰まってしまった。
早苗は目の前に出されたカレーライスを眺めながら。
「私、カレーが食べたいなんて言ってないじゃん…、何で私はカレーなの? 私だってオムライスが食べたいのに…」
早苗は恐る恐る、マスターに「あのー、私もオムライス食べたいんだけど…」と言葉小さめに言ったのだが。
「苗ちゃんはカレーでいいでしょ。もうカレー持っちゃったからさ」
そう言ってマスターは早苗のいう事など相手にしなかった。
実はこんな出来事は、その後の人生でもよく続いたのだ。

高校三年生の時の、他の土産物店での出来事だった。
一日のアルバイトが終了し帰ろうと思ったら、突然の雷雨で土砂降りとなったのだ。店員のKさんが早苗と同級生のS子に、
「凄い雨だなあ、おいS子送ってやるよ」
そう言って店のライトバンを店の前まで移動してくれた。
「おーい、S子早く乗れ!」とKさんが車から大声で怒鳴った。
「待って、早苗ちゃんも乗せてって、似たような方向だもの」
と、S子が早苗を気遣ってくれた。
「ダメだ、早苗は自分で帰れ、店にコウモリ傘が有るから、S子早く乗れ!」
KさんはS子を乗せると素早く発進させると店先から走り去ってしまった。
早苗は店に有るコウモリ傘を差して、土砂降りの雨の中をバス停まで10分ほど歩いた。
バス停に着く頃にはスカートもブラウスもびしょ濡れで、しずくが滴り落ちて、歩くたびに買ったばかりのパンプスの中の雨水がグチャグチャと音を立てていた。
髪の毛はベッタリと顔に張り付き、白いブラウスは裸のように肌が透けて見えている。
バス停には待つ客は誰一人居なかった。
止め処もなく流れる涙を気遣う必要は無かったが、泣き崩れた顔は誰にも見られたくなかった。

何とも惨めな気持ちだ。益々、早苗の被害者意識は強まって行った。

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福徳宮のお話し


福徳宮のお話し
20141020()再投稿

久し振りのBlogの更新です。
占いの事に関してBlogの更新が無かったのは、長年に渡って信じてきた、看法に迷いが生じたので、紫微斗数の記事が書けませんでした。しかし、再び闇の中に一筋の光が視えたので元気を取り戻すことが出来ました。
ずっと、紫微斗数の勉強を一日がかり、あるいは一泊掛けて遠方まで、数年に渡り、通い通して習得した紫微斗数ですが、実際にプロになってみると、いろいろ疑問が湧き上がるものでした。
そして今、あの年月は何だったのか? と少し虚しい気持ちも有ります。

紫微斗数を極めるのは、学んだ事を基本に、実際の鑑定を通して更に看法の飛躍を目指した末に新しい発見を観た感じです。そのために、通りすがりのお客様を鑑定してお金を戴く事では無理でした。必ず、鑑定後の実際の結果の検証を怠らないようにして来たことです。
一日多くの人を鑑定しなきゃならない、ノルマのあるような事では無理な事です。
それも、簡単な悩みでは意味が有りません。「彼と今月逢えますか?」というレベルでは無く、人生の大問題、家庭の存続に係るような大問題を鑑定し、それをフォローし命盤から得られる結果からアドバイスを続け、問題の解決に一緒になって努力する、という事の積み重ねでした。

薄利多売ということは出来ませんでしたが、自分自身の向上にも成りましたし、家庭の危機を幾つも救えたのは重みのあることです。

今日は福徳宮のことに少し触れてみます。
命盤の福徳宮の良し悪しって、人生において「幸不幸」に大きく関わるですね。
これは、「幸せは、その人の心の中に有る」ということを紫微斗数は教えてくてます。
多くの方を診て感じるのは、「福徳宮」の狀態が良いと、金銭、人間関係、仕事、家庭など様々な問題に遭遇しても、耐えれる力が有ると感じます。
豪腕の精神で強靭な肉体の持ち主でも「福徳宮」が悪いと、病気にもなりますし、最悪の時は自殺までもしてしまいます。
逆に、弱々しい肉体の持ち主で、貧乏で友人も少なく、誰が見ても「気の毒に」と思える人でも、「福徳宮」が良好ですと、本人はいたって人生を楽しんでいます。普通、人生を楽しむ、と聞くと美味しいものを食べ、旅行三昧して、多くの友人達と歓楽し、高価な文化芸能を楽しみ、趣味も高尚な・・・。と思いがちですが、それは価値観の狂った人の考え。
何も無くたって、楽しい人には、楽しいのです。これぞ、まさに哲学的。
虚弱そうな肉体の持ち主でも、普通に朝を迎えられ、「今日は天気が良くていいなあ~」と思えるなら、それが幸せなんですね。たとえ余命少ない人でも、「私は幸せですよ」っておっしゃる方の笑顔を拝見すると、幸せは来るものでは無く、自分の中に有る。と感じます。

よく、鑑定に来られる方で、「私は幸せに縁の無い人間でしょうか?」と、おっしゃる方がいます。お話を伺ってみると、世間への文句、家族への不満、会社での不満、数限りない不満で満たされてます。案の定「福徳宮」は光を失って最悪です。
命盤を観ながら、いろいろお聞きしてみます。
「お金はどうですか?」
「困る事は無いけど、もっと欲しいですね。新しい○○という車が欲しいけど買えなくて悔しいです」
「その車って値段は幾らです?」
「う~ん、300万円はするかな・・・」
この方の、悩みは、「人生腹が立つことが多く、友人が皆、幸せになっていくのに、自分が置いてきぼりみたいになって寂しい、何故、自分はみんなと同じように幸せになれないのか?」です。
この方の命盤、もちろん、福徳宮以外にも、命宮や三合に「肇羊、陀羅、火星などが加会」しています。だけど、財運もそこそこ有るし、仕事に就けば結構やり手、人の好き嫌いは強い方だけど、まあ頑張るタイプ。だけど、心の中は不幸感でいっぱい。

まさに「福徳宮」の成せる技?

物質的には、無い人からみれば幸せです。
後は、心の中が空っぽ。幸せを必死で求めています。
実は、幸せは遠くからやって来るものではなく、この方の心の中に有る筈ですが、それに気づけ無いのが不幸なんですね。

いろいろ、月日を掛けてアドバイスしました。私の力不足なのでしょう。まだ、気づいていただけません。このBlogには書けませんが、この方は「叶わぬものを求めています」
人間、欲望があるから生きて行けるけど、その欲望が不幸にもなっている。不思議ですね。
欲望のレベルを下げれば、誰でも幸せになれるんだけどねえ。
誰も、欲をかくんですね。欲には限がない。

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2018年10月29日月曜日

鑑定料金について


鑑定料金について

紫微斗数による鑑定料金は、初回鑑定(初めての方)は鑑定方法に関係なく
一律、以下の料金です。
対面鑑定=8.000
Skype、電話、メール、LINE電話なども含む)

一度鑑定されている方は、以下の料金で鑑定できます。
対面鑑定=5.000
Skype、電話、メール、LINE電話なども含む)
命盤が当方に保存されていますので、別件鑑定でも即座に鑑定できます。
※ご本人様以外の初回鑑定は、8.000円になります。

命盤が保存されていますから、LINEやメールでも簡易なご質問に無料で対応しています。


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2018年10月26日金曜日

神様の遣い(11)


神様の遣い(11

これまでのお話で、早苗さんは家族(父、姉、母)の三人からも辛い仕打ちが多く、学校でも何かと辛いことが多いというお話を書いてきました。
前回の記事は早苗さんの姉さんの「紫微斗数の命盤」について解説しました。姉さんも、やはり命盤のような厳しい人生を渡って行かなければならない状態でした。


今回のお話は
----- 「花さき山」が早苗の人生を変えた? -----
早苗が幼稚園の時には、毎月一冊の絵本を先生が読み聞かせてくれました。
読んでくれた本は、幼稚園生それぞれに一冊ずつ支給され、それを家に持ち帰り、家でもまた両親に読んでもらうことになっていました。
しかし、早苗の家では母親は夜遅くまで働いていますから、読んでもらうことは出来ませんでした。もちろん父親が読んでくれる筈もなく、父親に絵本を見せたところで破られるのが落ちです。
それでも、早苗は保育園で読んでもらった「花さき山」の絵本の内容は何故か心に焼き付いたのです。

【花さき山】とは、どんな本?

作: 斎藤 隆介      絵: 滝平 二郎

小学校に入学してからは、ひらがな文字は読めるようになり、学校の図書室で「花さき山」の絵本を見付けた早苗は、絵本を貸し出してもらい、家に持ち帰って何度も読み返したものです。その度に早苗は涙が溢れました。

学校にいる間でも、理不尽なことで先生に怒られたり、殴られたり。
誰にも辛いことを話すことの出来なかった早苗は、休み時間や放課後に図書室に独り行って「花さき山」の絵本を読んでは、自分の気持ちを慰めるようにしました。
「きっと、いつかは神様が、あたいの事を見付けてくれる」
何度も何度も読み返している内に、気持ちも収まり涙も乾いて家に帰ることが出来ました。

早苗は、この絵本の物語に出てくる、主人公の「あや」が、自分の境遇があまりにもそっくりだったので、自分のことが本になっていると感じるほどでした。
早苗は、この絵本を初めて手にしてから毎日毎日、何度も読み返しました。
何度読んでも涙が止まることは有りませんでした。

そして、辛いことが有る度に早苗は、この絵本を読むようになりました。
物語はすっかり記憶して、絵本を観なくても物語が語れるほどになりました。
初めて鑑定に来られた時も、早苗は「花さき山」の話に及んだ時に涙を流したのです。

早苗は物心つく45歳から、ずっと40歳になった今でも、この「花さき山」の主人公のように母親の為に、姉の為に反発することなく、何でも言うことを聞くようにしてきました。
誰か他人を責めるということが、早苗には何故か出来なかったのです。

早苗は理不尽な扱いを受けて殴られても、それに逆らうことで益々酷い目に遭うことが恐ろしく、何をされても大人しく耐えることの方が、救われると思うようになりました。そんな時に自分の気持ちを本当に理解してくれるのは「花さき山」なのだと強く思うようになりました。
いつかは、花さき山の「あや」のように成れると、自分に言い聞かせ続けました。
でも、何年経っても「あや」のような気持には成れない自分に、絶望感も沸くことがありました。

他者の不幸に常に涙し、何か問題が起これば自分に非が有るのではと思うようになってしまった早苗は、益々人に都合よく利用されるようにもなりました。
早苗の「花さき山」の絵本は、いつしか擦り切れてボロボロになって行きました。


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2018年10月24日水曜日

Blogコメントに驚いています!


Blogコメントに驚いています!

最近、「ブログは私のことを書いているのですか?」という、問い合わせが、とても多いのに驚いています。

そもそも、鑑定に来られた方の、ご相談内容、氏名、生年月日などは個人情報です。
法律でも「個人情報」は守られなければ成らない様に決められています。

占い師と云う仕事も、特定個人の方の様々な情報を知る立場に有りますから、絶対に個人情報は守らなければ成りません。

Blogの記事にする場合にも、当事者の方に了解を得る必要があります。

そのような条件の元に、個人的に許可を頂いた方に限りブログ記事を匿名で書かせて頂いています。

それでも、一般の多くの方々には「自分の事にピタリだ!」と、思われる方が多いようで、私自身が驚いています。

逆に、そんなに早苗さんと同じ苦労をされている方が多いのなら、これからも頑張って早苗さんの記事を書いて行こうと思います。

そもそも、「早苗さん」の記事を書くことになった経緯は、早苗さん自身が「私みたいな辛辣な人生を送っている人なんて、世間には誰一人いないでしょうね。もし同じような辛い思いをしている人が居るのなら、先生ぜひ記事にして、同じ思いをしている人に伝えてください」と云われたのが始まりでした。

これからも、最後の完結までBlog記事を書き続けます。
応援、宜しくお願い致します。


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2018年10月22日月曜日

神様の遣い(10)


神様の遣い(10

早苗さんの姉さんは生まれつき特異な個性(発達障害)を持っていたと思われます。そのために、そのような個性が生まれつき有るということに、気付いていない両親からも、「どうしようもない」と思われていました。
その姉に早苗さんは、成人してからも常に辛い思いをさせられていきます。

前回までの記事


----- 姉の紫微斗数の命盤 -----
命宮が「廉貞・貪狼」で、遷移宮には主星は有りません。
特徴的な宮は、「奴僕宮と田宅宮」ですね。
この二つの宮には「必定」と云われる状態が有り、特に田宅宮は「来因宮」でもあり、この宮が「破格」ということに成ります。
過去世でも、きっと大きな家庭問題が有り、今世でもその問題を宿題として背負って来たのだと思います。
幼少期から家庭と対人関係の問題は生涯に渡って付きまとうことになります。その原因は命盤から見て取れるように性格面での強さと、独特の拘りの強さ、自分の事しか見えない、という性格にあると感じます。
しかし、生年四化星が四個のうち、三個までが自分の宮の「六内宮」にあります。本当はこれを生かしていけば、人生は何とか成るのですが、そういう能力が有ることを、誰からも教えて貰える機会も無かったのは残念です。


一番に心配なのは健康の問題です。
大限54歳の健康問題が深刻で、早苗さんと同じように親の方が元気で長生きになってしまいそうです。
結婚は必ず出来ますが離婚にもなってしまうと云えます。子供は授かりますが縁が薄くなります。でもその子供からは助けられて行くことには成るでしょう。家庭運も薄いと云えます。元々、仕事人間の人ですから、大人しく専業主婦は難しいと云えます。
妹には何かと助けられて行く運命ですが、自分が原因で家庭内の不和の元を作り続けて行きそうです。

姉さんは「BDタイプ」と云えます。
即断即決、一刀両断、情に流されない。
そのために人生は、想定外の出来事が起こりやすく、まさに「青天のへきれき」、そんなことが多い人生でしょう。自分ではどうしようもない事、中国語で「牛角尖」ということが起こる人生とも言えます。これは偏に本人の性格が原因で起こること、と云えます。頑固な性格に早く気づき、他者を認め受け入れることが出来たのなら、もっと穏やかな人生で長生きも出来たと思います。
このように生き方を変えて、持って生まれた人生のシナリオを変えることも不可能でないと、私は多くの事例を観て断言できます。


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2018年10月20日土曜日

神様の遣い(9)


神様の遣い(9

早苗さんは、小学校に上がってからも、家庭とは別の辛いことが続きました。それは、先生に事情を分かって貰えず、何か有れば殴られたりとか、ただただ周囲の人間が恐ろしいという感情が増していったのです。
そんな中にあって、唯一仲良しにしてくれた同級生の母親が、いつも早苗さんには優しくしてくれ、本当のお母さんだったらと思うほど、早苗さんにとって救いになりました。

前回までの記事


----- 姉の事 -----
早苗は姉と二人の姉妹です。
その姉は、両親にとっては問題の多い子供だったようです。
今で云う「発達障害」であったと思われます。
そのような問題を持って生まれて来たとは知らない両親は、異常行動をする姉に対して厳しく接するようになりましたし、特に父親は暴力的になりました。
姉は朝から晩まで母親に怒鳴られ、父親からは殴られていました。
そして、どんなに殴られても泣かなくなった姉を観ていた早苗は、姉に対して一種の恐怖感さえも覚えるようになりました。

早苗が8歳のころ、外から遊んで家に帰ってきて自分の机の上の異常に気付きました。
早苗の勉強机の上が綺麗さっぱりと片付けられていると云うか、何にも無くなってしまっていました。
机の傍のごみ箱を観ると大きめのごみ箱に様々なものがギュウギュウに押し込められています。
早苗は、そのごみ箱の中に自分が大切にしていた物までが、クシャクシャに丸められて捨てられているのに気付いたのです。
早苗は驚いてごみ箱の中の物を急いで畳の上に広げてみました。
すると、大切にしていた物がたくさん出てきたのです。
早苗はクシャクシャにされた物を机の上に丁寧に広げて揃えていると、別の部屋から現れた姉が、突然に早苗がごみ箱から拾い集めていた物を、ひったくると台所に走って行ったのです。早苗は慌てて姉の後を追いました。
「お姉ちゃん、何するの!」
姉は憎たらしそうな顔をして早苗に怒鳴りました。
「早苗の大事なものは、こうしてやる。これで、もう使い物に成らないさ、嫌なら拾ってみな?」
そう言って姉は、早苗の大切にしてきた物を台所の残飯入れの容器の中に押し込んで、ヌルヌルになっている残飯と混ぜてしまいました。
早苗の大切な物とは、雑誌の付録やお友達や、親から貰った絵や小冊子でした。それがドロドロになった残飯に混ぜられてしまい、二度と元通りには成りませんでした。
早苗は大きな声で姉に罵声を浴びせながら泣きました。
すると、姉は早苗を殴り、倒しにかかってきました。
早苗は仰向けにひっくり返って、延々と泣きじゃくっていました。
このような姉からの仕打ちは、この後益々エスカレートしていきました。


公園のブランコで姉が遊んでいる時には、早苗がブランコの傍に来れば、姉は狙っていたかのように、傍に来た早苗に思いっきりブランコを漕いで、早苗の頭に当てたことが有りました。
勢いよく漕いで当てたブランコの板は、早苗の頭部を直撃し、早苗は気を失って倒れてしまいました。
その後、早苗は救急車で病院に運ばれて何針も縫う大怪我をしました。

この時、母親に叱られた姉は母親に、とんでもない事を言いました。
「あんな妹は死んでしまえばよかったんだ」

早苗は物心ついた時から、いつも親から怒鳴られたり、殴られている様子を恐ろしく目の当たりにしてきました。
そして何時しか、「姉のように成りたくない、親に殴られたくない」と思うようになり、常に先回りをして良い子に成れるように振舞うようになりました。また嫌なことが有っても常に自分を押し殺して、我慢して良い子に振舞うようになったのです。
その結果、母親からは姉の見守り役になるように仕付けられるようになったのです。
姉が、とんでもない事をやらかさないように、母親は早苗に見張るようなことを常に指示しました。
姉にとっては、大変に面白くないことだったのでしょう。
「こんな妹は早く死んでしまえばいい」と真剣に思い始めたようです。
そして、段々に早苗に対して攻撃的になって行ったのです。それは早苗が40歳代になるまでも続いたのです。

また、姉のように成りたくないと思い続けた早苗は、常に自分を犠牲にして他者に尽くすような行動傾向に成って行きました。それが自分にとって災いから遠ざかる方法と幼心に感じたことのようです。しかし、それはそれで早苗の中に大変なストレスを溜めていくことになったのです。これが原因で早苗が30歳代に成るころには様々な難病に侵されて行きました。


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2018年10月18日木曜日

神様の遣い(8)


神様の遣い(8

幼少期から親からの虐待や、小学校での先生からの暴力で涙の日々が多い早苗さんですが、同級生の中で唯一親切にしてくれた友達が居たことは救いでした。

前回までの記事


----- 小学校の友達のお母さん -----
早苗は学校が終わって帰りがけに、同級生の美代ちゃんに誘われ彼女の家に寄っていくことになりました。

美代ちゃんのお母さんは働きには行っていなくて、いつも家に居てくれるようです。美代ちゃんの家に行くのは初めての早苗でしたので、心臓がドキドキです。
学校から歩いて15分ほどの所に有る美代ちゃんの家は、小ぢんまりとしてはいるが、まだ新しく洋風の作りの白い家でした。道からドアに入る小さな庭先には雑誌で観るような鉢植えが幾つも並んで、見ているだけでもウキウキする気分になります。白い玄関ドアを開けて入ると、家の中も綺麗に片付いています。
早苗の家の中とは大違いです。
早苗の家は古い長屋住宅のようなところで、玄関の戸も開ければガラガラと音を立てる引き戸で、途中で何回も引っかかってスムースには開けられない戸です。
一歩入った家の中も不要なものが床に置きっぱなしになっている状態で、居間も所狭しと本や脱いだ衣類が積み重なっています。
畳は擦り切れて綺麗なズボンにも畳の屑が付くほどです。

美代ちゃんの家に入ってリビングに通されて、早苗は改めて部屋の中を見回してみると、食器棚もレストランみたいに綺麗なもので、棚の中には可愛い食器が並んでいます。

「まあ、早苗ちゃんね? よく来てくれたねえ、いつも美代から早苗ちゃんの話は聞いているのよ」
そう言って美代ちゃんのお母さんはキッチンから微笑みながらリビングに入ってきました。
「さあさあ、ランドセルは置いて、おやつにしましょ。用意しておいたからね」
美代ちゃんのお母さんは、すでに用意してあったお菓子とココアをテーブルに二人分揃えてくれました。
早苗は美代ちゃんと二人並んで、表面がピカピカ光るテーブル着きました。お母さんは向かい側の椅子で、早苗の顔を微笑みながらじっと眺めています。
美代ちゃんのお母さんにジッと見詰められるだけでも、嬉しくなってしまった早苗は、とても幸せな気分です。
嬉しくて早苗もニコニコしてしまいました。
出されたお菓子は早苗が食べたこともないし、初めて見るお菓子です。
手に取ってじっと見ていると、美代ちゃんが、
「このお菓子はクッキーって言うのよ、お母さんの得意なお菓子なの」
「くっきー?」
早苗は不思議そうに、そっと口にしてみました。
口に入れて少し噛むと、ポロっと口の中で砕けて、不思議な甘さが広がっていきます。
早苗にとっては不思議な美味しい初めての体験です。
物凄く高級なお菓子を食べた気分です。
「美代ちゃん、このお菓子って、毎日食べれているの?」
「うん、お母さんはお菓子作るのが大好きなの、いろんなお菓子を作って、私に実験台みたいに食べさせるの」
「へー、いいなあ、こんなの毎日食べれるんだ」
早苗は美代ちゃんのことが羨ましくて、どうしようもなくなりました。
早苗の家では、そもそも「おやつ」などという習慣は有りません。
「おやつ」という言葉は、本か何かで観たことは有りますが、美代ちゃんが美代ちゃんの家で「おやつ」という習慣が日常に成っていることが不思議でした。
さらに、とっても甘いココアも早苗にとっては初体験です。
世の中にこんなに甘くて美味しい飲み物が有るなんて知りませんでした。
改めて自分は、なんて貧乏な寂しい家に生まれたのだろうと涙が出てきてしまいました。
「あら、どうしたの? 早苗ちゃん涙なんか流して、おばさんが何か気に障ることでも言ったのかしら?」
「ううん、おばさんが優しくて、こんなに美味しいものを食べさせてくれて嬉しくて…」
涙と鼻水が、すするココアと混ざって変な味になってしまいます。
「まあ、そうなの? こんなもので早苗ちゃんのお口に合うか心配だったのよ。美代なんか、もうクッキーは嫌だっていうんだもの」

おやつを食べ終わったら、美代ちゃんのお母さんは、
「ねえ、宿題あるんでしょ? おばさんと一緒にやりましょ? 美代は一緒に宿題をやらないと自分では始めないの、早苗ちゃんもやろう?」
そう言って、お母さんは早苗たちの宿題を手伝ってくれるのだった。
早苗は宿題すら家では、一人でやるしかなく、父親が帰ってくる前に片付けておかないと、教科書すらも破られてしまうからだ。

宿題も終わって、早苗と美代ちゃんはテレビアニメのビデオを一緒に見始めました。もちろん早苗の家にビデオ装置など有る訳が無いです。
床のふかふかの毛の絨毯の上にひっくり返って二人でビデオを見ていると、
「あら、早苗ちゃん。シャツのボタンが取れそうよ」
美代ちゃんのお母さんは早苗のシャツのボタンを指で摘まんで言いました。
「おばさんが直してあげるね」
おばさんはそう言って裁縫道具を出してきました。
「早苗ちゃん、おばさんがシャツのボタンを治す間、このシャツを脱いで美代のトレーナーを着ていてね」
そう言って、美代ちゃんの赤いミッキーマウスのトレーナーを出してくれました。美代ちゃんのトレーナーを着た早苗は、またまた涙が出てきてしまいました。こんなに可愛いトレーナーは一度でいいから来てみたかったのです。
クラスでも一番に小さい早苗は、美代ちゃんのトレーナーは少し大きくて、袖から手が出ないけど、モコモコの温かい感触が何とも言えない優しさを感じさせました。
また、そのトレーナーは不思議な良い香りもします。甘い香水のようで爽やかな香りです。洗剤の香りでしょうか、それともお母さんのコロンでしょうか、早苗の家では有り得ない香りです。

「早苗ちゃん、前のボタンは直したけど、袖口のボタンが無くなってしまってるよ。違うボタンだけど、とっても可愛いボタンが有るから左右の袖口を一緒に替えてあげるけど、大丈夫?」
「うん、大丈夫、でも、おばさん、ボタンを貰ってしまっていいの?」
「いいわよ、おばさんには、いっぱい色々なボタンが有るから」

美味しいおやつも食べさせて貰い、宿題も、シャツも直してもらい、楽しいアニメのビデオも見せて貰って、早苗は極楽に行った気持になりました。
美代ちゃんの家での時間は、あっという間に過ぎていきます。
自分の家に帰ると寂しい嫌な現実があります。

それでも、それからは頻繁に、早苗は美代ちゃんの家に寄って、宿題も済ませたり、おやつやビデオも楽しませて貰うようになりました。

美代ちゃんのお母さんは、早苗を自分の子供のようにして、接してくれました。
毎日の学校の辛いことも、嬉しいことも、何でも話を真剣に聞いてくれました。また様々なことでも早苗を褒めてもくれました。
「偉いわねえ~早苗ちゃん」
そんな言葉は生まれてから一度もかけられたことは有りません。
早苗が当たり前のように聞く言葉は「バカヤロー、お前は何というダメな奴だ」
こんな言葉に慣れてしまった早苗は、美代ちゃんのお母さんの言葉には毎回涙を流しました。
「この世に、私のことを認めてくれる人が居る。私は生まれて来ても良かったんだ」

そんなある日、早苗が家で脱いだ服を母が手に取って怒り出しました。
「早苗! この服のボタンはどうしたんだい?」
早苗はニコニコしながら答えました。
「美代ちゃんのおかあさんが直してくれたの。今までにも時々、あたしのシャツの破れた所を直してくれたり、無くなったボタンを付けてくれたの」
それを聞いた母の顔がにわかに険しくなりだした。
「何だって! 他所のおばさんに直して貰ったのかい? お前はまったく、どうしようもないねえ、お前は本当に恥さらしだ! なんだって家に中の恥を他所でさらすんだ! こんな事をされたら、私は何にも出来ないダメな母親を宣伝してるのと一緒じゃないか!」
そう言って、母親は早苗の頬に平手打ちを食らわしたのです。
「もう二度と美代ちゃんの家には行くんじゃないよ、いいね? 分かったね?」

しかし、早苗は密かに美代ちゃんの家に立ち寄り続けました。
でも、洋服の直しなどは断るようになりました。
美代ちゃんのお母さんは、
「そうなの? じゃあ、おばさんは早苗ちゃんに悪いことをしてしまったね。じゃあね、成るべく分からない様に、直すからね」

早苗は今になって思えば、小学校の時に、このおばさんに出会えたことは、その後の辛い人生を生き抜いていくことの、大きな支えになっていたと思いました。


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