どうしても動けない2つのタイプ
人様の運勢を観させて戴いて気付いたものがある。
辛い状況から何とか抜け出したい、どうしたら良いのだろう?
そんなご相談を受けた時に、まずは現状の運勢的な吉凶を観ます。
運勢的な吉凶を観るのは、辛い状況が運勢的なものか、あるいは心の問題なのかを見極めるためです。
たとえば、仕事に出かけるのがどうしても嫌で辛い、そんな場合でも運勢的な仕事運は悪くない場合もあります。仕事運は逆に良いくらいの場合だってあります。しかし、精神面の運勢が低運気ですと、何かとマイナス思考に捉えてしまい、普段なら気にしないことでも不安を感じてしまいます。
その不安が新たな不安を呼び、行動がマイナス行動に成りやすくなります。こうして負の循環が始まります。
このように本当の状況は悪くないのに、精神面で悪く感じてしまい、その結果やがて仕事運が低下して行くパターンがあります。運勢的な吉凶が、どんな順序で廻るのかも調べてみると未来に起こりうるシナリオが解読出来るものです。
特に人生に於いて最悪のシナリオが廻るような場合は、その事がその人の人生のテーマだったりします。このテーマを知ることが出来るのが欽天派紫微斗数の「業・因・報・果」でもあります。
あるいは「来因宮」に示されるテーマだったりもします。
この「業因報果」に解決策や、どのような方向に向かえば良いのかというアドバイスが示される場合も少なくありません。
このアドバイス、相談者さんがハッと気付かされる場合もありますし、どうしても受け入れがたいもので有る場合もあります。
紫微斗数の命盤には、人生に於いて辛い事象が何歳、何年ごろに起こるのかが示されます。
そして、その原因が何であるかも示されている場合も多く、それを対策として知ることも出来ます。
しかし、その対策が早めに行動していないと間に合わない場合も少なくありません。
事象発生の時になっては既に対策は難しかったりもします。
幸いに事象発生の前の早い時期に、出来事を知ることがありますが、その場合に回避行動がとれる人と、とれない人がいます。
回避行動がとれないパターンは基本的に以下の2つのパターンです。
一つ目は、生まれ出た環境がどうしようもない状況の場合。
50歳代に成ったばかりの女性のご相談です。
この女性の場合、両親そして本人を含む姉と兄も紫微斗数の命盤を作成しています。
(家族全員の命盤には、それぞれの役割がしっかり現れています。芝居のキャスティングみたいです)
女性は三人兄弟の末っ子で生まれました。
ご相談の女性は激しい性格の両親の間に生まれ、幼少期から激しい夫婦喧嘩を観て育ちました。
両親が常に喧嘩をしていて、姉さんや兄さんも父親から殴られたりして強い性格です。そして兄弟姉妹の仲は悪いです。
やはり両親がまったく協力し合わない関係ですと、その子どもたちも協力し合うことが少なく仲の悪い関係が多いです。
女性には姉と兄さんが居ますが、それぞれの命盤を観ますと、姉も兄さんも「武曲や七殺」などの勇猛な星を命宮に持っています。末っ子の女性は「天相星」で三人兄弟の中では一番優しい穏やかな星です。結果的に、この末っ子の女性が家族、両親に尽くす宿命です。「業報因果」にも父母、田宅という意味あいが多く含まれています。
さて、この女性は幼少期から両親の激しい夫婦喧嘩に怯えて育ってきました。そのために対人関係に於いてもいつもビクビクしています。
末っ子の女性は幼少期から両親が大喧嘩をする度に、両親に喧嘩を止めて欲しいと常に心から願ってきました。そのために自分に何か出来ることが有るのなら、何でもしようと思うような傾向になっていました。両親の大喧嘩は大体が父親のすることへの母親の不満、父親は母親が怒鳴ることで切れる。そんな繰り返しでした。いつしか末っ子の女性は両親の喧嘩が始まる前に家庭内のことに気を利かすように成り、先回りして片付けたり、支度したりと尽くすようになりました。
それでも両親の喧嘩が収まる訳ではありません。
女性は一生懸命に家族のために尽くすのですが、家庭内の修羅場は一向に良くはならなく、女性は次第に自分がダメな人間と思い込むように成っていってしまいました。
両親も末っ子にダメ出しをしたり、何でも押し付けたりするようになりました。
女性は成人する頃から早く結婚をして、この家庭から逃げ出したいという思いが募るようになります。
そして女性は、父親のような男性は大嫌いに成っていましたから、間違っても父親のような男性とは結婚しないと強く心に決めていました。
姉さんや兄さんは家族のために何一つと協力はしません。それぞれ自分勝手な行動をしています。
衣類も脱ぎっぱなしで脱衣場に山のようになっています。末っ子がいつしか全ての洗濯をやる係のようになり、掃除も家事も全てに追われるようになったのです。
末っ子も成人して恋人が出来ました。優しい男性です。父親とはまったくの別タイプです。
女性は逃げ出すように、その男性と焦って結婚しました。
それから2~3年後、女性の夫は父親のように変わりました。
絶対に父親のような男性と結婚はしないと強く決めていたのに・・・。
実は、こういうパターンは意外と多いのです。両親の事を観て育って、絶対に両親のような家庭にはしない、と決めていても結果的に両親と同じことを繰り返してしまう。
最終的に、この女性は夫婦関係が悪くなりDVにも遭うようになります。やっとの思いで別居しましたが、生活が出来なくて嫌な両親の元に戻りました。
そして、再び家族の世話係になったのです。
二人の姉と兄も結婚後に離婚して実家に舞い戻りました。親の因果は繰り返すというのは本当と思います。
今では、末っ子の女性がヘトヘトに成りながら両親と二人の姉と兄のお世話係です。今でも日々家庭内は大喧嘩で修羅場が続いています。女性は30代についに厄介な病になりました。甲状腺、子宮疾患、免疫系が原因の難病で現在も治療中ですが治癒の見込みは少ないようです。
(ストレスが原因と鑑定=福徳宮が常に凶運)
この女性が、この四面楚歌の状況から抜け出す手立ては少ないのです。それは健康が悪化してしまった為に実家を離れて自立するのが厳しいです。夫が離婚に応じなく自由が効かない、夫は財運に恵まれているので優秀な弁護士を立てて離婚裁判に勝っています。女性への経済的援助は継続して復縁を迫っています。(復縁するとDVが怖い)
この女性のように、取り巻く状況が逃げ場のない王手のようになるパターンがあります。
自分の意志だけでは、どうにも成らない場合もあります。
2つ目は、回りの状況は問題ないのに回避行動が出来ない場合。
40歳の女性の相談です。
結婚運の悪い女性で二回の離婚歴が有ります。
最初の結婚で授かった息子さんが居て、もう高校生になります。
最近、ご相談者の女性は新たな出会いが有りました。その彼氏は実は既婚者でした。
不思議なもので離婚を繰り返すパターンには良くない相手を、どうしても選んでしまう方が居ます。
最初の結婚は18歳で同棲し結婚、彼は異性関係にだらしなく離婚。
二度目は奥さんの居る男性と関係し修羅場の末に結婚しましたが、問題が多く離婚。
三度目も、やはり奥さんの居る男性ですが、男性は離婚すると口では言っています。
男性は離婚すると云いながら2年が過ぎました。女性はその男性の子供が欲しくて仕方が有りません。
ご相談は「その男性の子供を産んでも良いか?」
鑑定しなくても良くないことは分かりますが、鑑定しても凶運です。
今、高校生に成った息子さんが既に問題児になっています。その息子さんを矯正し成人させなければ成らないのに、ここで赤ちゃんを育てるなんで無謀です。
しかも女性はもう40歳です。子女宮に問題が有り、最初の出産時にも大変な思いをしましたが、ここでまた妊娠をしたら、どうなるのでしょう。
運勢的に今年は授かる可能性は大きいですが、来年からは大限(10年運)が変わり、大限の子供運も一年の子供運も凶に変わっていきます。
子供に関して苦労の10年が始まります。
私はアドバイスをさせて頂きました。
高校生の息子さんでも、この先の苦労が目に見えています。
ここで更に赤ちゃんが授かれば、ペットを飼うような訳には行きません。
しかも授かる赤ちゃんの父親は別の奥さんの夫です。
赤ちゃんは、その男性に認知して貰えるのかと云えば不可能です。
生まれてくる赤ちゃんは「父無し子」になってしまいます。
二人の子供さんの養育で女性は地獄のような苦しみを味わうことは命盤に強く現れています。
私は女性にリアルに分かりやすく説明しました。
でも、女性は赤ちゃんが欲しくてどうしようもない状態でした。
もし、赤ちゃんを産めば、命盤のシナリオ通りに成る訳です。
この先に地獄が待っています。
この女性のように幾らでも避けることが出来る災いなのに、人生の「業報因果」を何としても実現しようと、必死で試練に飛び込む強い意志(?)の人も居るのです。
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