2014年7月21日月曜日

17歳の冒険者(第二話)

朝露の田んぼの草むらから飛び起き、日本海沿いの国道をひた走り、新潟県と山形県の県境を超える。今朝はまだ朝食を摂っていないのだ。現在はこの辺りは、どんな賑の国道になっているか判りませんが、当時は家など一軒も見当たらない所でした。

オヤジのバイクはもう老体です。平均速度は40Km/hが良い所。
それ以上、アクセルを吹かせば、いつエンコするか判らない代物。長野県から新潟へとは結構下りが多かったから良かった。でも、山形県境に向かう国道は意外と上りの連続。なるべく海沿いを走りたかったので、それなりの道を選んで走った。
道はいつしか、国道7号線になっていた。

山形県に入り、鶴岡市の由良漁港辺りの雑貨屋で朝昼の食事を買うために店に入った。今では「懐かしの昭和史」に出てくるようなお店だった。中にはちゃんと、昭和史に出てくるような、おばあちゃんが店番をしていた。
クリーム入りアンパンと瓶入りの牛乳を買って店先で食べていたら、お店のおばあちゃんが話しかけて来た。

「どっさ、ござったなすぅ?」
「はぁ~??  茄子ですか?」

「おめ~んどこだぁ~?」
「お面ですかぁ?」

「ほだなごと・・・」
「あの~、言葉が分からんだけんど~?」

「どさ いぐなやっす?」
「??」
<俺は学校の英語の教科は苦手なんだよな~、おばあちゃんの言葉は外国語に聞こえた>

おばあちゃんには、私の言葉は良く理解出来るようだ。
そっか、おばあちゃんは、NHKのテレビなどで標準語の放送を聞いてるから、私の言葉が判るんだなあ。

私は尋ねた。
「秋田市までは、あと、どのくらいかねえ?」
「んだ、秋田んだべが、○△□?!?んだ」

よく判らなかったけど、お礼を言って店を後にした。

由良港を後にして、街道の国道沿いでしばらく、びしょ濡れの寝袋をバイクの上に広げて日に当て乾かした。30分ぐらい時間つぶしして、国道を一路北へ向け走り始めた。
途中、どう道を間違えたのか、国道ではない道を走っている。
結局、何処をどう走ったか判らなかったけど、最上川を超えた辺りで太陽は日本海の水平線に近づきだした。今夜のネグラを探さなくては。
いつも、夕暮れになると走っていても落ち着かなくなるのだ。
この日は、道を間違え、あまり距離を走れなかった。良く整備された岸壁のコンクリートの防波堤に陣取り日が暮れるのを待った。

<続く>

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